日本でのオンラインギャンブルは法的な判断が難しいグレーゾーンです。
とりあえず、公営レースとサッカーTOTO、そして日本政府主催のロトくじが合法なのはみなさんご存知のとおり。
日本で完全に合法なオンラインギャンブルはこれだけです。
つまり、オンラインポーカー、スロット、テーブルゲームなどを含むオンラインカジノゲームへの賭けは厳密には禁止されているということになります。
それでも、日本国内にいながら海外の運営者によるオンラインカジノへのアクセスは簡単にできてしまいます。
しかしこれらのオンラインギャンブルサイトは残念ながら日本政府からライセンスを取得しているわけでもなければ規制もされていません。
これら日本向けネットギャンブルサイトではビンゴやスロット、ポーカーなど従来のカジノゲームに加えて、日本のパチンコやパチスロ、麻雀にも賭けることができてしまいます。海外運営者によるスマホゲームサイトも同様です。
日本のネットギャンブル概要
日本政府は合法的なギャンブルを規制しています。例えば経産省によるサッカーTOTO、日本中央競馬会による競馬は特に知られたところでは?
さらに、包括的な規制を敷いている大多数の他の国々とは異なり、オフラインのギャンブルに関してはかなり厳格な規制を導入しています。特にパチンコやボートレース、宝くじを見てみればわかるかと思います。
にも関わらず、ネット以外での日本のギャンブル市場は巨大です。
Gambling in Americaの著者、William Norman Thompsonによると、日本のギャンブル市場の規模はアメリカ合衆国のものと同等とのこと。
日本の人口はアメリカの1/3ほどしかないにも関わらずです。つまり日本人ギャンブラーはアメリカ人ギャンブラーの3倍ほども賭けに興じているということになります。
さらに興味深いのが、西洋式カジノは日本には一切ないということ。その代わりに25,000店舗にも及ぶパチンコ屋が軒を連ねます。もちろん、表向きにはこれらの店舗ではギャンブルをさせているわけではなく、景品を提供する遊興場所という名目にしています。なぜなら、日本では運が絡むギャンブルは厳しく禁止されているから。
オンラインギャンブルに関しても同じことが言えます。
そのオンラインギャンブルですが、日本市場はまだ小さいものの着実に成長しています。特に衰退しているパチンコ産業と比較してみるとこれは明らか。他国のオンラインギャンブル市場と比較してみても、日本市場の伸びは著しいことがわかります。
日本のオンラインギャンブル市場は推定で$68.4億。それでも日本全体のギャンブル産業$456億のうちの15%ほどを占めるだけです。
日本のオンラインギャンブル市場
日本のオンラインギャンブル市場がパチンコ/パチスロほど巨大でないことに驚きはありません。ネットでの賭けは厳密には公営レースとサッカーTOTO、ロトでしか許されていないからです。海外の人から見ると、日本では日本国内で開催されるJリーグと競馬/競艇/オートレース/競輪にしかネットで賭けることができないというのは興味深くすら映るのです。
日本でのオンラインギャンブルはこのように厳しく制限されてはいるものの、海外のネットギャンブルサイトを踏みとどまらせるにはいたっていません。これは、日本の政府当局の規制が及ばないグレーエリアでこれらのサイトが運営されているためです。最近になってようやく、日本政府は海外のネットカジノサイトで賭けを行ったプレイヤーを取り締まるようになりました。ただし2人が罰金刑を受け入れたものの、残った1人は法定で争う姿勢を見せた後に不起訴となっています。
オンラインギャンブルを規制して合法化しようという声も一部政治家から出てきています。オンラインギャンブルサイトを課税することができれば、それだけ税収も増えるからです。また、これには違法なギャンブル運営者に打撃を与えてギャンブル依存症を減らすという目的もあります。ただし現時点では、本格的にオンラインギャンブルの法整備を行おうという姿勢は日本政府から見られていないのが残念です。
数字が明かす日本のオンラインカジノ市場
日本のオンラインカジノ市場は、以下の理由から世界的に見てもかなり大きな部類に入ると言われています。
- ほとんどの運営会社が今は日本のオンラインカジノ市場専用に特別なサービスを提供。(それだけ収益増が見込めるから)
- 日本のギャンブラーが1回のログインで平均3万円を費やしてくれる。世界平均の29,754円をわずかながら上回っている。
- 日本の年間国内総生産のうち、30兆円以上をオンラインカジノ市場が占めている。
- 政府はギャンブルに対する規制を徐々に緩和しており、一定の基準を満たせば施設型の運営が認められるようになると報道されていいる。
- 日本はオンラインギャンブルの技術で世界をリードしており、モバイル機器用のギャンブルプラットフォームが初めて登場したのも日本で。
- 日本のカジノ市場は第1位のアメリカ合衆国、第2位のマカオに次ぐ業界第3位の規模。
日本政府によるオンラインギャンブルの法的扱い
先にも書いたとおり、オンラインギャンブルは日本の法律では長い間グレーエリアにあります。日本在住者が海外のネットカジノで賭けを行ったことで逮捕されて罰金刑に処されたり注意を受けたりした事例はこれまでにあるものの、はっきりとした法的整備がされているわけではありません。警察や政府当局がオンラインギャンブルに関する明白な法的根拠を示したこともありません。逮捕案件は他のギャンブラーへの警告に過ぎないものでした。
日本で合法化されて規制されている数少ないオンラインギャンブルの筆頭は、4種類の公営レースです。
日本在住者は法を犯すことなくネットで競馬、競輪、オート、競艇の各レースに賭けることができます。これらのレースへの賭けは政府または公益組織によって規制・運営されていて、地方自治体または公共団体によって運営されているサッカーTOTOとロトも同様です。
カジノ(違法)
カジノのゲームは運に左右されるものだと日本政府に認識されていて、これらのゲームは日本の刑法第185条で違法とされています。一方で日本カジノ管理委員会によって施設型のギャンブルに関する厳格な基準と規制が敷かれています。
オンラインカジノゲームはビデオポーカー、スロット、テーブルゲームなど全てのものが運に左右されるゲームだとされています。
つまりブラックジャックもバカラもスロットも、これらのゲームに賭けることは日本の法律では禁じられているわけです。日本からでも遊べる海外のネットカジノサイトはいくつもあるものの、厳密には違法です。
ネットカジノでギャンブルを行ったプレイヤーを取り締まって逮捕するという事例も出てくるようになりました。
同じ賭博に関する法律はオンラインポーカー、ビンゴ、キノにも適用されます。したがって、ネットでこれらのゲームに賭けると日本では逮捕される可能性もはらんでいます。日本では民間企業が運に頼るゲームを提供することができず、WSOPのようなオンラインポーカートーナメントに参加することもできません。
公営レース(合法)
日本国内在住者は以下のレースならネットで賭けることができます
- 競艇
- 競輪
- 競馬
- 競輪
最も重要な条件が、これらのレースが日本国内の自治体または政府によって規制されて運営されているということ。
つまりは、政府によって開催されて認可されているレースだけに賭けることができるということ。
したがって、F1であれダービーであれチェルトナムゴールドカップであれ、海外で開催されるレースに日本からは賭けることができません。日本人レーサーと地元に売上金が還元されるという点では理にかなっています。
スポーツベット
日本政府は最近になってスポーツベット全般の合法化を議論するようになってきました。しかし今のところはサッカーTOTO(Jリーグの13試合が対象となるジャックポット)だけがネットで合法的に賭けられる対象です。
Jリーグへの賭けの合法化には、日本国内リーグとサッカー、その他スポーツへの日本人の関心を向上させるという目的がありました。
ファンタジースポーツ
ネットでファンタジースポーツに賭けることは、日本では禁止されています。オンラインギャンブルサイトのDraftKingsやYahoo! Sportsによって人気に火がついた別名DFSは日本では禁止されているものの、第三者のスポンサーが賞金を提供する場合は認められています。
宝くじ
オンライン宝くじは地方自治体が開催される場合に限って許可されています。
2018年以来多くの県がネットで宝くじを販売するようになり、今ではアジア太平洋地域でも有数の1等賞金を出すまでになっています。例えば、ジャンボ宝くじは年に5回購入できて賞金総額は15億円になることもあります。
スポーツ振興くじのtoto BIGは18歳以上の日本在住者なら誰でもネット上で購入が可能。文部科学省の監視のもと、日本スポーツ振興センターが主催しています。
関連する日本国内の法律
オンラインギャンブルが日本で合法か違法かはグレーゾーンではっきりしません。日本の現行法では数種類の選択肢だけが許可されていて、そのほとんどが公営レースです。1900年代後半には元々競輪と競馬という2種目だけが賭け対象とされていました。
その後、日本政府は競艇とオートレースも解禁します。これによってパリミュチュエル方式で賭けができる、いわゆる4大公営レースが誕生したわけです。ただし賭博自体は日本の華やかな伝統と歴史の中に根づいており、富くじ文化は18世紀半ばには生まれています。賭博は1842年に一旦は禁止されたものの、第二次大戦終戦後には再び解禁されています。
TOTOは日本で合法的にギャンブルを運営するためのライセンスを取得した唯一の組織です。1口100円でJリーグの13試合に賭けることができ、賞金が勝者の間で分けられます。
日本のオンラインギャンブルでは海外のスポーツブックとカジノでの賭けが大部分を占め、実質的に法規制がされないブラックマーケットとなっています。日本のプレイヤーがこれら海外のオンラインギャンブルサイトにアクセスした際の法的枠組みも法律も整備されていません。
可決されたカジノ法案はIRリゾートカジノだけに限定されず、オンラインカジノの合法化も推し進めるとされています。政府はこれまで厳格に禁止していたオンラインギャンブルへの対処を見直すようになってきました。
オンラインギャンブル市場を完全に合法化、規制化することでギャンブル依存症に歯止めをかけることが検討され始めています。さらに、コロナ禍からの経済復興にオンラインギャンブル産業からの税収が助けとなることにも期待が寄せられています。
もし日本政府がアメリカ型のオンラインカジノとIRカジノを合法化することになれば、拡大し続ける債務危機の解決にもつながります。2013年後半から始まった国会での議論はそれほど進んでいるわけではないものの、その間に日本国民の間ではオンラインギャンブルへの関心が高まる一方。日本市場をターゲットにした海外のオンラインギャンブル運営者の合法性については、依然として曖昧なままです。
日本のオンラインギャンブルに関するよくある質問(FAQ)
ここからは、日本のオンラインギャンブルに関する質問に回答していきます。
オンラインでの賭けは日本で合法なの?
日本でオンラインギャンブルは許可されています。ただし、一部の形に限定されています
合法なオンラインギャンブル
- 宝くじ:地方自治体か政府が主催するロトまたは宝くじをネットで購入することができます。
- 公営レース:4種類の公営レース – 競馬、競艇、競輪、オートの結果にネット上で投票することができます。
- サッカー:日本サッカー協会が主催する試合であれば、どのレベルの試合にも賭けることができます。
- ソーシャルゲーム:ソシャゲでは、お金や物品を賭けないゲーム内のギャンブルゲームならOKです。友人同士のオンラインポーカーなどがこれにあたります。
これに対して、以下のオンラインギャンブルは日本では認められていません
法律のないオンラインギャンブル
- カジノゲーム – スロットとテーブルゲーム(ブラックジャック、ルーレット、バカラなど)
- オンラインポーカー
- オンラインビンゴ
- ファンタジースポーツ
日本にオンラインカジノはある?
日本向けにサービスを提供している海外のオンラインカジノはたくさんあります。
ピナクル(Pinnacle)、スピンパレス(Spin Palace)、カスモ(Casumo)、ベラジョンカジノ(Vera&John Casino)などは特に人気のサイトです。
唯一の欠点が、日本では法整備がされていないグレーゾーンであることですが、プレイヤーに法の手が及ぶ心配はまずないと言っていいでしょう。