日本でギャンブルが禁止な理由を徹底解説

日本では刑法に賭博罪がありギャンブルは違法行為とされていますが、例外的に一部のギャンブルは合法とされています。

  • パチンコ – スロットとピンボールを組み合わせた日本独自のギャンブル。報酬が現金ではなく景品で支払われるので合法とされている。
  • ボートレース – 20歳未満は舟券の購入不可。
  • 宝くじ – 国や各都道府県・自治体が主催。
  • 競輪 – オートレースと並んで人気の競技。20歳未満は車券の購入不可。
  • 競馬 – 公営競技ギャンブルの代表格。売り上げ規模は年間約3兆2500億円(2022年度)でアメリカの約3倍。JRA(日本中央競馬会)が全国10カ所の競馬場で年間36回のレースを開催。
  • toto(サッカーくじ) – Jリーグ13試合の結果を予想するくじ。売上の50%は賞金に当てられ、残りは国への税金や各自治体への分配金となる。

海外のギャンブルとして定番のカジノに関しては、みなさんご存知の通り日本にはありませんし、あったとしても闇カジノであり違法な施設です。

しかし、日本国内でもカジノ法案が可決され、合法的なカジノが建設されることになりました。

また、日本から海外のオンラインカジノを遊んでいる人も多いかと思います。海外オンラインカジノへのアクセスおよび遊戯に関しては、現状日本の法律で厳しく取り締まることはできないためグレーゾーンだといわれています。

海外オンラインカジノで遊んでいる日本人は、100万人以上いるといわれていますが、検挙件数は数えるほどしかありません。

刑法第23条 – 賭博及び富くじに関する罪(賭博罪)

刑法第23章、いわゆる賭博罪は古くは江戸時代にも存在していましたが、その条文に規定されている通り、日本では組織的な賭博や個人による宝くじの販売は禁止されてます。違反した場合、罰則は最大150万円の罰金または2年以下の懲役が科せられますので、ギャンブル好きの方はくれぐれも注意するようにしてください。

ちなみに、法律上のギャンブルの定義は「偶然の勝敗により財物や財産上の利益の得喪を争う行為」とされています。つまり、例えばサッカーの試合に土地の権利証を賭けることはギャンブルとみなされることになります。

賭博罪が存在する理由

賭博罪が存在する理由には、大きく3つあります。

日本人の道徳感

日本人は道徳に反する行為をとても嫌うため、基本的にギャンブルに対して良いイメージを持っていません。ギャンブルへの依存は仕事を失い生活を破綻させる可能性があり、そういった社会への悪影響を排除するために賭博罪は存在しています。

反社会勢力の取り締まり

また、巷に存在する違法闇カジノは暴力団との結びつきが強く、暴力団の取り締まり・弱体化の手段として賭博罪が活用されているという側面もあります。

暴力団とギャンブル

アニメや漫画、文学からハリウッド映画に至るまで、暴力団はエンターテインメントの世界ではある種の敬意を持って好意的に描かれることがありますが、実際には、「恐ろしい」「何をされるかわからないので関わりたくない」「犯罪集団」というのが暴力団に対する一般的なイメージです。

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パチンコ店や水商売、風俗店のほとんどは暴力団が関係していると言われていて、違法カジノも手がけているということもよく耳にします。バックに暴力団がついている店で支払いを渋ったりすると、金銭的にも肉体的にも高い代償を支払うことになりますので気をつけましょう。

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暴力団はこれまでに拉致、放火、傷害など様々な凶悪事件を起こしており、暴力団とギャンブルの密接な関係は、日本でギャンブルが禁止されている理由の一つとなっています。

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日本人のギャンブル嗜好

江戸時代からギャンブルは忌み嫌われるものとされてきましたが、ここ数年のギャンブル人気は目を見張るものがあります。暴力団の違法カジノではバカラが人気なようですが、ここでは現在日本で合法的に楽しむことができるギャンブルをご紹介しましょう。

日本で合法的に遊べるギャンブルの還元率は、最高でもパチンコ・パチスロの80%ほどだと言われています。海外のカジノやオンラインカジノに関しては、還元率が90%を超えることも珍しくないため、勝ちやすいギャンブルだと言われています。

宝くじ

宝くじは全国各都市で販売されており、12種類の宝くじを合法的に楽しむことができます。

宝くじの収益は半分が地方自治体や慈善団体への寄付として分配され、残りの半分は賞金に当てられます。合法的な宝くじは各自治体にとって貴重な財源です。

宝くじの賞金は非課税ですが、日本在住且つ日本国内で購入したことが前提のため、例えば海外に在住している人などは税金がかかる場合があるので注意してください。

反対に日本から海外の宝くじを購入することも可能です。

ロトランドなどの海外サイトで購入可能です。

パチンコ

大人気のパチンコは日本の合法ギャンブルの代名詞ともいえます。スロットとピンボールを組み合わせたゲームで、パチンコ玉を打ち出しへそと呼ばれる抽選口に入ったら抽選され当たったら出玉を獲得できます。

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出玉を獲得したらお菓子や日用品などの景品または、特殊景品と呼ばれる景品に交換することができます。特殊景品はパチンコ屋付近にある換金所で買い取ってもらえます。

また、パチンコは運だけのギャンブルではなく、釘読みなどをすることで期待値を積み長期的には、勝つことができるためプロパチンカーも存在します。

スポーツくじ

日本で合法的なスポーツギャンブルの一つがスポーツくじのtotoです。週末に行われるJリーグの全試合の結果を予想します。賞金の充当はパリミュチュエル方式で行われます(売り上げ総額からtoto事業者の取り分を差し引いた額を賞金に当てる方式)。

公営競技

公営競技ギャンブルは各種レースの結果に賭けるギャンブルで、オートレースや競輪、ボートレースなどがありますが、年間売り上げ約3兆2500億円以上(2022年度)の競馬がキング・オブ・公営競技と言えるでしょう。

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ギャンブル禁止から合法化へ

前述のように、日本では江戸時代からギャンブルは基本的に御法度とされてきましたが、最初にギャンブルを禁止する法律ができたのは1907年のことです。以降、長らくギャンブルは法律で禁止されてきましたが、ここ数年でギャンブルの合法化に向けた動きが出てきています。

2018年にIR推進法が成立し、国内に3つの合法カジノの建設が可能となりました。これらのカジノはIR(統合型リゾート)カジノと呼ばれ、東京、横浜、大阪にそれぞれ建設される予定です。当初の目標では2020年のオリンピックまでに日本初のカジノを開業する予定でしたが、コロナ禍によって延期となってしまいました。現在、MGMリゾーツ・インターナショナルとオリックスが共同運営する大阪のIRカジノが2029年の開業を目指しています。ラスベガスのカジノのような複合施設になるとのことです。

日本国内でカジノが建設されることにより、雇用の捻出がされるというメリットがあります。

例えば、海外カジノのディーラーの年収は、国にもよりますが平均的なサラリーマン程度もしくは平均以上もらえる場合も多いです。

日本のギャンブル人気

賭博罪でギャンブルは基本的に禁止されていますが、それでも日本ではギャンブルが大人気です。朝日新聞とSimilarWebの調査によれば、海外オンラインカジノへの日本からの月間アクセス数は2018年〜2020年で120倍に増加、その他のギャンブルサイトでは同期間で約65万から4900万に急増したとのことで、日本のギャンブルファンは着実に増えていることが伺えます。

公営競技ギャンブルなど日本の合法的なギャンブルはいずれも数十億円の売り上げ規模があり、特に競馬に関しては約3兆2500億円以上(2022年度)の規模を誇ります(アメリカ競馬の3倍に相当)。

暴力団がやっている違法カジノを利用するギャンブルファンも中にはいて、特にバカラの人気が高いようです。前述のカジノ合法化の流れはこういったギャンブル人気を受けてのものとも言えます。さらに、ゲンティン・シンガポール、MGMリゾーツ・インターナショナル、メルコ・リゾーツなど海外のカジノ事業者が日本に関心を示していることからも、日本のギャンブル市場が大きな可能性を秘めていることが伺えます。

また、カジノゲームは種類が多いため、凝り性の日本人には合うかもしれませんね。

IR推進法について

ここでは2018年に成立したIR推進法について詳しく見ていきます。

規制当局

ランドカジノを運営するIRカジノ事業者は、カジノ管理委員会による規制を遵守しなくてはなりません。また、カジノにパチンコを導入する場合は、当該地域を管轄する公安委員会からの許可が必要となり、なおかつ景品交換所の併設も義務付けられています。

カジノの営業には国土交通大臣の認可が必要となり、 まずはスタートとして3つの事業者に認可が与えられる予定です。なお、1つのIR指定されたエリア内で運営できるカジノは1つだけとなります。

IRカジノでできるギャンブル

日本にカジノが建設された場合には、以下のようなカジノゲームが日本で遊戯可能になると思われます。

ブラックジャック

ブラックジャックは、ディーラーよりもカードの合計が21に近づけることができれば配当を獲得できるカジノの王道ゲームです。

ベーシックストラテジーと呼ばれる定石を活用することでハウスエッジが下げられるのが特徴です。

バカラ

バカラは、プレイヤーまたはバンカーのどちらかに賭けるゲームです。カードの合計が9に近い方が勝利になります。

ルーレット

ルーレットは、日本人に最も馴染みのあるカジノゲームですね。ご存知の通り、数字を予想し、予想した数字のポケットにボールが入れば配当がもらえるシンプルなゲームです。

ポーカー

ポーカーは世界中で大会が開かれている大人気ギャンブルゲームです。人気の最大の理由は、ポーカーは運だけでなくスキルも大切なゲームだということでしょう。

カジノへの入場制限

IR推進法ではカジノへの入場制限も定めています。カジノに入場できるのは20歳以上で学生は入場不可です。

カジノ開業のガイドライン

カジノ開業のガイドラインにより、公立図書館、病院、学校の近くでの営業は禁止されています。また、オペレーション、収益見込みや財務体質、人体資源など、カジノ事業者はカジノ管理委員会が定める基準を満たさなくてはなりません。

税金について

認可されたカジノ事業者は、カジノゲームから得た収益の内15%を国とカジノ所在地の自治体に税金として納めなければなりません。

ライブカジノで勝ったら現金を出金できるの?

ライブカジノとは、オンラインカジノで遊ぶことができるライブストリーミング形式のカジノゲームのことを指します。

ライブカジノで勝ったら出金はできます

オンラインカジノにより異なりますが、銀行振込や仮想通貨・電子マネーなどで出金することが可能です。

日本から遊べるオンラインギャンブルは?

日本から楽しめるオンラインギャンブルは、

  • 公営ギャンブルのネット購入
  • 宝くじのネット購入
  • オンラインカジノ
  • オンラインポーカー

です。

オンラインカジノは違法なのか気になる方は多いかと思いますが、現状グレーゾーンだというのが現実です。合法というわけではないため、遊ぶ際は自己責任で楽しみましょう。

勝ちすぎてカジノを出禁になることはあるの?

パチンコ屋はプロが出禁になってしまうケースが頻繁にあります。

ただ、カジノで勝ちすぎて出禁になるということは、ありません。というのもカジノは、ハウスエッジがあり、赤字になることはほとんどないためだと言われています。

しかし、カジノでイカサマや不正行為をしてしまうと出禁になることがあるので要注意です。

また、カジノはパチンコ屋とは異なり、毎月新台導入があるわけではないため、カジノ側の経費があまりかからないため余裕があるのではないでしょうか。

日本にカジノができた場合は、パチンコメーカーがカジノ用のスロットを開発し、パチンコ屋のように頻繁に新台を導入したりするのかもしれませんね。

カジノの聖地モンテカルロはどこにあるの?

世界的にカジノの聖地というとラスベガスを想像する人が多いかと思いますが、ヨーロッパではモンテカルロがカジノの聖地だと言われています。

モンテカルロは、フランスのお隣モナコ公国にある都市です。

モンテカルロのカジノは、古い建物が多くラスベガスのカジノのような近代的な建物というよりは、歴史を感じる建物が多いのが特徴です。

日本のギャンブルについての解説 まとめ

ギャンブルに関する日本の現状について述べてきましたが、最後に改めてまとめてみたいと思います。現在は多くのギャンブルが禁止されている日本ですが、解禁に向けて少しずつ動き出してはいるので、今後さらなる加速を期待したいところです。

  • 日本でギャンブルが違法である背景には、日本人の道徳感や暴力団の関わりが存在する。
  • それでも日本ではギャンブル人気が高く、合法的なギャンブルだけでなく海外のオンラインカジノなどを利用する日本人も増えている。
  • 2018年にカジノ合法化へ向けて動き出したものの、現状合法カジノはまだ開業できていない。早くて2029年に大阪で開業する予定。