ソリティアはシンプルで簡単に遊べるため、プレイしているとその面白さについ熱中してしまうゲームです。また、本来は実物のカード(トランプ)使ってプレイするゲームですが、20世紀の終わりからPCが普及するようになり、それまでに比べて画面が大きくなったPCでもソリティアがプレイできるようになりました。
Windowsではソリティアが標準搭載されていたので遊んだことがあるという人も多いでしょう。
現在ではさらにスマホやタブレットでもプレイできるソリティアが多いため益々ハマる人が増えているわけですが、心理学者や科学者の研究によりソリティアには中毒性があることが証明されています。
そこでこの記事ではソリティアの中毒性について、その理由を詳しく見ていきたいと思います。
ソリティア中毒になってしまう理由
1. 上達が早くチャレンジし続けたくなるから
ソリティアは繰り返しプレイして練習を重ねることでスキルが上がったり、さらにはハイスコアを出せるようになります(得点形式のバリエーションの場合)。そうすると、より高いクリア目標やチャレンジを絶えず求めるようになり、チャレンジとクリアのループに入ることでソリティア中毒になってしまうのです。
また、シンプルなルールやプレイ方法のため長時間プレイしてしまう、というのも中毒性の理由の1つとして挙げられます。
2. 脳がドーパミンを放出するから
ソリティアの中毒性を脳の働きから見てみましょう。ソリティアをクリアすると脳の報酬中枢が刺激され、幸せホルモンの「ドーパミン」が放出されます。ドーパミンはアルコール、ギャンブル、コカインやヘロインなどの薬物、タバコと同じ高揚感や依存症を引き起こすとされており、このドーパミンの働きによって衝動的にソリティアをプレイしたくなってしまうのです。
もちろんカジノなどのギャンブルやアルコールは、ほどほどに楽しむのであれば問題は全くありませんが、限度を超えてしまうと問題が生じてしまうので注意が必要です。
3. 嫌なことを忘れられるから
ソリティアは一人プレイ用のゲームなので、例えば以下のような悩みや問題を抱えた人たちがプレイしがちです。
- 孤独感
- 退屈感
- うつ病
- お金の悩み
- 不安やストレス
- メンタルの不調
このような人たちは、暇つぶしやメンタルケアの一環としてソリティアをプレイする内、やがてハマってしまいその結果依存症になりやすのです。言い換えれば、暇な時間がたくさんあって、現実逃避や嫌なことを忘れる目的でソリティアをプレイし始めると、中毒になってしまいがちというわけです。
また、短時間でクリアできて手軽な満足感が得られることも、中毒性が高い理由の1つと言えるでしょう。
ゲームにのめり込んでしまって支障をきたしている方は、責任ある健全なゲームプレイを心掛けましょう。
ソリティアが人気の理由
ソリティア中毒になってしまう理由について述べたわけですが、ソリティア人気の理由についても簡単にまとめておきます。
- 一人でプレイできるので、対戦相手や一緒にプレイする相手が不要。
- カードを数字の小さい順に積み重ねていくゲームだけなので、ルールがシンプルで覚えやすい。
- 無料で遊べるソリティアが多い(PC、タブレット、スマホ)。
- マイクロソフトがOSに搭載した影響が大きい(Windows3.0以降)。これによって自宅、オフィス、学校など、WindowsPCのある場所ならプレイできるようになった。
ソリティアが脳や心身にもたらす効果
ソリティアの中毒性を指摘する研究がある中、いくつかの研究ではソリティアが脳に良い効果をもたらす可能性も示唆されています。
1. 集中力を高める
多くのカードゲーム同様に、ソリティアを日頃プレイしていると物事に集中する習慣が身につくため、退屈を感じることがなくなります。暇でダラダラ過ごすことは、メンタル的にも脳の働きにも良くありません。空き時間にソリティアをプレイすれば良い脳トレになりますし、メンタルにも良い効果をもたらします。どちらも健康にとって大切なことです。
というわけで、暇つぶしや息抜きをするならソリティアをプレイするのがオススメです。テレビや暴力的なゲーム、SNSなどは認知機能の正常な働きを損なう習慣なので、この際きっぱりやめてしまいましょう。クラシックソリティアなら何時間でも没頭して遊べて、不安や倦怠感、悲しい気持ちも忘れさせてくれます。おまけに脳トレにもなるのでいい事づくしです。
2. 判断力が向上する
ソリティアにはさらにメンタル的なスキルを向上させる効果もあります。判断力がその一つで、どのカードを動かすか、山札をめくるか場札のカードを処理するかなど、ソリティアには判断を求められる場面が多々あり、それぞれの判断は小さなものかもしれませんが、意思決定やクリティカルシンキングの能力に効果的な脳トレになるのです。
3. 記憶力が向上する
認知症やパーキンソン病など、記憶力に影響する認知機能の障害が高齢者の間で急速に広まっていますが、ソリティアが脳にもたらす最大の効果の一つは、記憶力を正常に保つことや向上させることです。
ソリティアにはルールや正しいプレイ方法など覚えることが多く、記憶力がとても重要です。記憶するという行為は神経を刺激して強くするため、良い脳トレになります。これを繰り返すことで記憶力が全体的に向上し、自然と様々なタイプのソリティアのルールを覚えられるようになります。
4. 心が落ち着く
脳が正常に機能する状態を保つには、緊張をほぐし心を落ち着かせることが効果的です。ソリティアは基本的に脳や思考を酷使するゲームではないため、プレイに集中していると脳がとても落ち着いた状態になります。同時に、様々な難易度のゲームをクリアすることで達成感を味わうこともできます。
ソリティアをクリアすると、脳からドーパミンが大量に放出されるため快感を感じ、ドーパミンの量がさらに増えると、睡眠や消化、メンタルの不調を改善するのに良い効果を与えます。
5. うつ病や不安症などのメンタルの問題が改善する
一部の学者はソリティアの中毒性を指摘していますが、ソリティアには脳に刺激を与えることで「幸せホルモン」をより多く分泌させる効果があります。「幸せホルモン」とはうつ病やストレス、不安症などの改善に効果的な物質で、ソリティアは日常生活の辛さやストレスなどから解放してくれる健康法としての効果もあるのです。
6. 満足遅延耐性が身につく
「満足遅延耐性」とは「将来のより大きな成果のために、自分の感情をコントロールして、目先の欲求を我慢する」能力を意味します。アルコール、ドラッグ、ギャンブルなどで得られる手軽な満足感は、長い目でみると脳にとって良い効果をもたらしません。一方、ソリティアはクリアのために多くの事を身につけなくてはならず、忍耐力が必要となるため、脳は「満足遅延耐性」を学習し、感情をコントロールしたりメンタルの問題に対処したりすることができるようになるのです。
7. メンタルスキルが向上する
ソリティアをプレイすると、精神力や戦略的思考を鍛えることができます。ほんの数分集中してプレイするだけで良い脳トレになります。麻雀やチェスほどではないにしても、頭を使ってクリアを目指すことは脳にとって長期的に良い効果をもたらします。
8. 気分がアガる
難易度が高いバリエーションのソリティアは脳を酷使することになりますが、ルールさえマスターすればエキサイティングなゲームとして楽しむこともできます。ソリティアには興奮や幸福感を高める効果があり、特に一日の終わりにプレイすると脳にとって良い効果をもたらす、とても優れた娯楽の一つです。
以上、ソリティアの中毒性についてでした。くれぐれも「中毒」にはならないよう、適度なプレイを心がけるようにしましょう。