Windowsで遊べるソリティアですが、2012年にリリースされたWindows8からは標準インストールされておらず(マインスイーパーやハーツも同様)、Microsoft Storeからダウンロードする必要があります。この記事では、なぜMicrosoftが標準インストールを止めるに至ったのか、その経緯や理由について見ていきたいと思います。
ソリティアの収益化を目指したMicrosoft
MicrosoftがソリティアをWindowsから削除したのは、金銭的な理由が最も大きいと思われます。Windowsのソリティアは大人気だった反面、開発維持に多額のコストがかかっていたため、Microsoftはソリティアの収益化を目指したのです。
オプトインベースの広告付きアプリへ移行
そこでMicrosoftはソリティアの収益化方法として、広告付きアプリの作成を考えました。そして実際に、Windows 8以降はそれまで標準インストールされていたハーツ、マインスイーパー、ソリティアをすべて削除し、代わりにMicrosoft Storeからダウンロードできる「Microsoft Solitaire Collection」という全く新しいオールインワンのアプリの提供を開始しました。
Microsoft Solitaire Collectionの誕生

Microsoft Solitaire Collectionは「Xbox Game Studios」というMicrosoftの一部門が開発したもので、クロンダイク、ピラミッドソリティア、フリーセル、スパイダーソリティア、トライピークスがバンドルされています。それまでのデスクトップ版とは異なり、バナー広告やゲーム開始前に30秒の動画広告が表示されるようになりました。
Microsoft Solitaire Collectionは、Xboxのアカウントやゲームプレイの統計情報と統合されており、進捗状況を保存したり毎日のチャレンジを楽しむことができるようになっています。月額1.49ドルで邪魔な広告が無くなるプレミアム版のオプションも存在します(10ドルの年払いプランもあり)。
Microsoft Storeのプロモーションに利用
自前のアプリストアに関してGoogleやApple、Samsungなどのライバルたちに遅れをとっていると考えたMicrosoftは、Microsoft Storeのプロモーションにソリティアを利用する目的もありました。Microsoft Storeには、サードパーティー製の人気アプリがなかったため、Windowsユーザーの間で人気と話題を呼ぶため、ソリティアの力に頼ったのです。
Windowsのスリム化
最後に、ユーザー目線や規制の点から見た削除の理由についても触れておきます。WindowsユーザーやEUをはじめとした規制当局は、ブロートウェア(Windowsにプリインストールされているアプリやファイル)の多さに不満を抱いており、さらにEUには広告付きゲームへのオプトイン規制もあったため(※)、ユーザーニーズやEUの規制を満たすにはWindowsのスリム化が必要として標準インストールを止めたとも考えられます。
※広告付きゲームはユーザーが同意してダウンロードしなくてはならないという規制。OSバンドルだとこの規制に抵触する可能性があった。
おまけ ソリティアアプリの不具合解消法
アプリをダウンロードしないとプレイできなくなったMicrosoftのソリティアですが、OSのアップデートやネットワークを含むPCの不調など、様々な理由でソリティアアプリに不具合が起こることがあります。アプリが起動しない、動作しないなどの問題が発生した時は、以下の解決策を試してみてください。
- アプリのアンインストール→再インストール
- アプリのリセット(リセット方法は設定や詳細オプション画面から確認できます)
- デバイスのキャッシュのクリア
- デバイスのアップデート
- デバイスの再起動
- Windowsのトラブルシューティングを利用する
以上、Windowsからソリティアが削除された理由についてでした。最後までお読みくださりありがとうございました。