ブラックジャックで10のペアをスプリットしてはいけない理由【ベーシックストラテジー解説】

ブラックジャックで10のペアをスプリットするのは、期待値(リターン)と勝率を下げることになるので、よくありません。また、ベーシックストラテジー(基本戦略)にも反してしまいます。ベーシックストラテジーに従うなら、10のペアや5のペアの場合は決してスプリットしてはいけません。ちなみに、ブラックジャックにおけるスプリットとは、同じ数字の2枚のカードを二手に分けることです

ほとんどのカジノやオンラインカジノのブラックジャックではスプリットをすることができます。

スプリットとは

ブラックジャックではスプリットというアクションをすることが可能です。

ブラックジャックでは、2枚のカードが必ずプレイヤーに配られます。その2枚が同じ数字だった場合、その2枚を分けて追加の1枚ずつを引くことができます。

例えば、5が2枚配られて、スプリットをしなかった場合、合計は10でヒットし21に近づけるようにします。一方でスプリットした場合、5+追加の1枚が2セットとなります。

スプリットする場合には、賭け金を倍にしないといけないので要注意です。

10のペアをスプリットすると勝率が14%下がる

統計によると、ディーラーのアップカードである6に対して10のペアをスプリットした場合、勝つ確率は64%、負ける確率は36%であることが分かっています。つまり、ディーラーの6に対して10のペアをスプリットした場合の1ハンドの純増は28%、スプリットハンドは2ハンドなので56%ということになります。

一方、パット20(10-10)でスタンドした場合、85%の確率で勝ち、負ける確率はわずか15%のみ。つまり、ディーラーの6に対して10のペアでスタンドした場合、期待できる利益は70%なのです。

この2つの数字を比較すると、10のペアをスプリットすることによって利益率または勝率が14%(70%から56%)も減少すると言われています。

これは、あくまでも統計学から計算した場合の結果なので、10のペアをスプリットしたら勝率が下がると覚えておけば問題ないでしょう。

10のペアをスプリットするとブラックジャックで稼げない

10のペアをスプリットした場合、ディーラーのアップカード6に対して、100ドル賭けるごとに56ドルほどの期待値と言われています。

しかし、10のペアでスタンドした場合、100ドル賭けるごとに70ドルの期待値となります。

つまり、期待値上、ディーラーのアップカード6に対してスプリットするよりも、スタンドしたほうが14ドルほど多く勝てるという理論です。

ブラックジャックで遊んでて、負けたいという人はいないと思うので、10のペアではスタンドするようにしましょう。

10のペアからの次の一手を考えてみよう

ほとんどのブラックジャックプレイヤーは、10のペアをスプリットすることを選択しますが、追加のカードでまた10が出る可能性はあまり高くありません。大きい数字を引く可能性よりも2-6などの小さな数字を引いてしまう可能性が高いです。

ブラックジャックの経験者なら大体の人がスタンドという選択をすると思います。10のペアつまり合計20というハンドで負けることはほとんどありませんし、スプリットして中途半端なハンドが2つになるくらいなら優秀な1ハンドで勝負する方が格段に勝率は高いです。

スプリットではなく、スタンドという確実な賭けに出ることをおすすめします。もちろん、10や9以上の数字が出る可能性もありますが、ディーラーがそれ以上のカードを引いて、負けてしまう可能性も高いです。そもそも、10のペアは、(実際85%という)最も勝率の高いハンドの一つであり、スプリットして個別のハンドに分けるのリスクが高いアクションだと思います。

ブラックジャックのスプリットは10のペアでもすべき?

繰り返しとなりますが、10のペアはスプリットしないようにしましょう。ブラックジャックをプレイする人なら当たり前のことですし、ベーシックストラテジーでも10のペアをスプリットすることは推奨されていません。

といっても、ディーラーのアップカードが6であった場合、10でスプリットしたとしても勝率は64%あります。なのでエンターテイメント性を追求したいという方は、スプリットするのもありなのではないでしょうか。もちろん確実に稼ぎたいという方には、おすすめできません。

10のペアをスプリットするプレイヤーも存在する

状況によって10をスプリットする人もいれば、しない人もいます。

例えば、カードカウンティングをするプレイヤーは、シューの中に10が大量に残っていると判断した場合には、10のペアをスプリットします。

そうでない、一般的にプレイヤーはみんな20でスタンドします。

少し珍しいケースですが、ブラックジャックトーナメント参加者は、トーナメント終盤で多くのチップを獲得するために、10ペアをスプリットする場合もあります。

経験の浅い初心者プレイヤー

まだ経験の浅いプレイヤーは、戦略やアドバンテージの知識がほとんどなく、もちろん高度な戦略を学ぼうとする気もありません。ただの娯楽として、あるいは大勢の人々と交流するためにテーブルに来るか、単にブラックジャックのプレイが下手なのでしょう。カジノ側にとっては好都合のゲストですが、もしこのカテゴリーに入るなら、まずはベーシックストラテジーを習得できるように努力すべきでしょう。

プロのカードカウンターとトーナメントプレイヤー

真のプロであり、ブラックジャックというカジノゲームの裏表を知り尽くしているプレイヤーもまた、10のペアをスプリットするようです。この種のプレイヤーは、テーブルルール、ベーシックストラテジー、(オンラインカジノでは無効ですが)カウンティングといった高度な戦略を熟知していますし、さらに基本戦略から逸脱して10のペアをスプリットすることの背景にある統計的・数学的な理由もわきまえています。

10のペアをスプリットしてもいい場合

10のペアをスプリットしてもいいとされる状況は、2つだけあります。

  • ブラックジャックトーナメントにおいて、勝利するためにもっとチップを賭ける必要がある場合(特に、最後のチップの数が勝負の分かれ目になる場合)
  • カードカウンティング中、シューに10のカードがたくさんあると見込んだ場合(つまり、もしカードカウンターの方で、10が多いシューにアドバンテージがあると思えば、迷わず10のペアの手をスプリットしましょう!)

なんでアップカード10に対して8のペアをスプリットした方がいいの?

ディーラーがソフト17(*ソフトハンドとはエースを含む手札のこと)でヒットした場合のエース出なければ、ほとんどのアップカードに対して8のペアをスプリットすべきです。なぜなら、ダブルダウン、サレンダー、スタンド、ヒットなど、すべての有効なアクションの中でも、8のペアをスプリットすることが最も期待値が高いからです。

なんで10のペアをスプリットするブラックジャックプレイヤーもいるの?

ブラックジャックプレイヤーの中には、10のペアをスプリットする人がいますが、それはきっと何も知らない初心者だからでしょう。10のペアをスプリットしてはいけないというブラックジャックの基本戦略を学んでおらず、マスターしていないと推測できます。

一方、プロのブラックジャックプレイヤーは、シューに10が多く含まれていることを確認した場合、10のペアをスプリットすることがあります。また、ブラックジャックのトーナメントプレイヤーは、より多くのチップを使うために、10 のペアでスタンドするよりもスプリットするのをあえて選ぶかもしれません。

アップカード10に対して9のペアをスプリットした方がいいの?

ディーラーのアップカードが10である時、9のペアをスプリットすべきではありません。ディーラーのアップカード10に対して勝つ可能性が高いので、スプリットを選択するよりも9のペアでスタンドすることをおすすめします!