ギャンブルで賭けられた史上最高額は!? エピソードと併せて紹介

長いギャンブルの歴史の中で様々なギャンブラーが高額ベットの勝負を繰り広げてきましたが、史上最高額を賭けた人物として知られているのが、ボクシング世界チャンピオンのフロイト・メイウェザーです。2013年のNBAシーズン第7戦、マイアミ・ヒート vs インディアナ・ペイサーズの試合で、彼がマイアミ・ヒートの勝利にスポーツブックで賭けた590万ドルがギャンブル史上最高額の賭け金とされています。2023年には、サッカー選手のネイマールがオンラインカジノで90万ポンドを負けてしまったというニュースもありました。スポーツ選手はギャンブルに大きな額を賭ける傾向にあるのかもしれません。お金持ちたちは、特にギャンブルの戦略などを考えずに軽い気持ちで大金を賭けそうですね。

試合は99対76でマイアミ・ヒートが勝利。結果メイウェザーは649万ドルを手にしたとのことです。

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ボクシングやバスケットボールなどのスポーツベッティング好きで知られるメイウェザーは、他に2017年のスーパーボウルで220万ドルを獲得したとも言われていますが、ギャンブルの世界には彼以外にも超高額ベットの勝負に挑んで歴史に名を残したギャンブラーが数多く存在します。ここからは、そんな伝説的ギャンブラーたちを、彼らにまつわるエピソードと合わせてご紹介したいと思います。

超高額ベットで知られる伝説的ギャンブラーたち

ファントムギャンブラー 「ウィリアム・リー・バーグストローム(William Lee Bergstrom)」

1980年、ラスベガスのカジノ「ビニオンズ」に1人の男が現れました。男はクラップスのテーブルへ向うと、傍らのスーツケースに詰められた77万ドルのキャッシュ(現在の270万ドル)を全額ベット。当時の史上最高ベット額を賭けたその勝負に見事勝利した男は、落ち着き払ったままカジノを出ると、トランクに賞金を詰め込んで走り去っていきました。

男の名は「ウィリアム・リー・バーグストローム」。「ファントムギャンブラー」の異名を持つギャンブラーです。彼の噂はたちまち広まり、再びラスベガスにその姿を現したのは4年後のこと。再びビニオンズにやって来た彼は、約54万ドル(現在の約130万ドル)の勝負に勝ち、チップをキャッシュに換えるとそのままカジノを後にしました。

イギリスの住民投票にベットした匿名ギャンブラー

ギャンブル市場のグローバル化がもたらしたメリットの1つに、賭けの対象の拡大化があります。世界中をつなぐインターネットの発達により、地元のダーツ大会から世界の天気事象、果ては選挙の結果にまで賭けることが可能になったのです。

2014年にイギリスで行われた「スコットランド独立住民投票」もそんな賭けの対象でした。メディアはこれに関して虚実入り混じった報道をしましたが、ある匿名の情報提供によれば否決されることに123万5000ドル(90万ポンド)を賭けたギャンブラーがいたようで、投票結果は賭け通り否決だったため、このギャンブラーは配当金26万5000ドル(19万3000ポンド)を受け取ったとのことです。

全財産を賭けた男 「アシュリー・レベル(Ashley Revell)」

勝ち負けの確率が50/50のギャンブルこそ大金を賭ける価値がある。漢気あふれる「アシュリー・レベル」はそんなギャンブラーでした。1971年生まれ、イギリスのケント州にあるメードストンという田舎の村出身のアシュリーは、仲間達と地元のパブで楽しい時間を過ごしていた時、1回のルーレットに全財産を賭けようと思い立ったのです。

きっかけは、「持ち物を全部売っ払って、その金をラスベガスで全額賭けたら最高だよな」という友人の何気ない一言。もちろん冗談で言った言葉ですが、アシュリーはこれを本気にしました。そして高価なゴルフクラブや高級時計、車、その他の所有物を売り払い、さらにはフリーマーケットまで開いて資金を調達。1万ポンドの貯金と合わせて、最終的に7万5000ポンド(9万ドル)を集めることに成功しました。

アシュリーはラスベガスの「プラザ・ホテル & カジノ」に7万6840ポンドを送金。高級タキシードに身を包んだ彼がカジノを訪れると、チップでパンパンになった袋が手渡されました。そして彼はルーレットの赤にそのチップを1枚残らず全てベットしたのです。幸運の女神はそんなアシュリーに微笑み、彼は見事に勝利。15万3680ポンド(18万4000ドル)を手にしたアシュリーは、悠々とカジノを後にするのでした。

億万長者ギャンブラー 「ケリー・パッカー(Kerry Packer)」 

オーストラリアのメディア王で億万長者の「ケリー・パッカー」は、思い付きで桁違いの大金をギャンブルに賭ける人物として話題を呼びました。ラスベガスやシドニーのカジノでは、常に数万ドルの賭け金でバカラブラックジャックをプレイしていたようで、その生涯での負け金額は数百万ドルに上ると言われています。事実、1日のギャンブルで数千万ドルが動いたというのは有名な話です。大負けする人も多いですが、ギャンブルで大富豪になった幸運な人たちもたまにいます。

さらに、パッカーは変わり者だが気前の良い人物としても評判でした。愛想の良いディーラーやウェイトレスにはチップをはずんでいたようで、ラスベガスでは「ケリー・パッカーが街にいる時は病欠の連絡をしてくる者はいない」という話が囁かれたそうです。

また、こんなエピソードもあります。ある時、パッカーがディーラーに8万ドルのチップを渡そうとしたときのこと。ディーラーの「チップは最終的にすべて合算されるので、自分が受け取れるのはほんの少し」という言葉を聞いたパッカーは激怒し、カジノのオーナーを呼びつけました。このオーナーも短気な性格だったようで、件の話をしたディーラーをクビにしようとしましたが、パッカーはそれを止め、ディーラーが8万ドルのチップを受け取る様に計らったそうです。オーナーはカジノで一番のお得意様を失うわけにはいかないので、それに従ったと言われています。

その他、こんな人たちも高額な賭け金で話題を集めました。

  • MLBの試合に350万ドルをベットをした家具店経営者のマットレスマック
  • スーパーボウルに350万ドルをベットした起業家でギャンブラーのビリー・ウォルターズ
  • ブレグジットの国民投票に5万ポンドをベットしたイギリス人男性(結果50万ポンドを獲得)
  • アメリカのテレビ番組「ジェパディ!」で7万ドルをベットしたジェームズ・ホルザウアー(結果240万ドルを獲得)
  • グランドナショナルに100万ドルをベットしたイギリス人グループ(結果400万ドルを獲得)
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このように実に多くのギャンブラーたちが高額な賭け金の勝負に臨んできましたが、一方で獲得賞金のことも気になるところです。ここからは、ギャンブル史における高額賞金について紹介していきたいと思います。

スポーツベッティングで人気のスポーツ

上記で紹介した高額賞金はすべてスポーツベッティングで獲得したものです。スポーツベッティングはアメリカでカジノに匹敵するギャンブル人気を博していますが、世界全体でもその規模は大きく、現在ギャンブル市場全体の収益の約4割を占めています。金額で言うと、毎年5000億ドル以上(正確には5000億ユーロ以上)がスポーツベッティングに賭けられている計算です。

アメリカではNFLがスポーツベッティングで一番人気のスポーツですが、世界で人気ナンバー1なのはサッカーです。競馬がトップだったこともありましたが、早期キャッシュアウト(ベットのキャンセル)やインプレイベッティング(試合中にベットできるシステム)があることで、サッカーが一躍トップ人気のスポーツに躍り出ました。

イギリスでは、少なく見積もって年間10億ポンド以上がサッカーベッティングに賭けられているとのことです。世界ではどうかというと、無許可のベッティング業者が無数にあるため正確な数字は判明していませんが、ワールドカップ中継の視聴者数が数十億人であることを考えると、天文学的な額が賭けられているのが実態と思われます。

スポーツベッティングでは、大きなスポーツイベントがあると大量の賭け金が集まります。その例をいくつかご紹介しましょう。

ワールドカップ

2018年のロシアワールドカップの賭け金総額は1360億ドル。

スーパーボウル

毎年の賭け金総額は70億ドル。

競馬

スポーツベッティングでは古い歴史を持つ。世界中でレースが開催されているため24時間いつでも賭けることができ、賞金が高額なところが魅力。市場規模は年間1000億ドル以上と有数の規模を誇る。実は日本が世界トップの規模で、イギリス、オーストラリアがそれに続く。アメリカも大きな競馬市場を持っており、新たにスポーツベッティングが解禁された州も出てきているため、大きな可能性を秘めている。

ボクシング/MMA(総合格闘技)

競馬同様に古い歴史を持ち、アメフト、ゴルフ、サッカーのように目立ちはしないが、ギャンブラー人気は高い。MMA団体のUFCがこの頃人気を集めている。

以下のようなスポーツイベントもスポーツベッティングでは人気です。

  • UEFAチャンピオンズリーグ
  • イングランド・プレミアリーグ
  • グランドナショナル(競馬)
  • ワールドシリーズ(野球)
  • ラグビーワールドカップ
  • NBAファイナル
  • クリケット・ワールドカップ

以上、今回はギャンブル史における高額ベットや賞金についてでした。一攫千金を夢見たギャンブラーの話は他にもまだまだあるため、興味を持たれた方は是非調べてみては如何でしょうか。