ダランベール法(ピラミッド法)は、カジノのベッティングシステム (ベッティング戦略) の一つです。
勝率の高いベッティングシステムはたくさんありますが、安定性という点ではダランベール法は非常に優秀だと言われています。
今回は、そんなダランベール法(ピラミッド法)の使い方やメリット・デメリット、シミュレーションしてみた結果などを解説します。
ダランベール法(ピラミッド法)とは?
ダランベール法は、別名ピラミッド法とも呼ばれていて、フランスの数学者、物理学者でもあり哲学者でもある「ジャン・ル・ロン・ダランベール」によって考案されたと言われています。
基本的にプレイヤーが負けるたびに賭け金を増やし、勝つたびに賭け金を減らすというシンプルな戦略。
有名攻略法であるマーチンゲール法と同じく、負けるたびに賭け金を増やすネガティブプログレッションシステムの一種なので、大きく勝つことはできないものの、勝敗数が同程度である場合に小さな利益が出るというシステムです。
他のベッティングシステムと比べるととてもシンプルで簡単に実践できるため、オンラインカジノ初心者にもおすすめです。また、賭け金が急激に増えることがないため、比較的容易に資金管理を行うこともできます。
ただしゲームの結果によっては勝てない場合もあり、連敗が続くと損失額が大きくなる点には注意しましょう。
ダランベール法とピラミッド法の違いカジノ攻略
混同し勘違いされる方も多いですが、ダランベール法とピラミッド法は同じもので、その仕組みに違いはありません。
「ダランベール」という名は、前述した通り、考案者であるジャン・ル・ロン・ダランベール氏からきています。
一方、「ピラミッド」という名は、連勝したり連敗したりした時に、賭け金額がピラミッド式に上下することからきているそうです。
ダランベール法(ピラミッド法)の賭け方
ダランベール法(ピラミッド法)を使った一般的な賭け方を解説していきます。
スタート時の賭け金を決める
まずはゲームセッションで賭け金の上げ下げをおこなうための「1単位」を決めます。ちなみにダランベール法は、勝利ラウンドのたびにベットを下げなければならないため、テーブルのミニマムベットから始めることはできません。一般的には1単位の10倍ほどのベットから始めるのが理想的とされています。つまり、例えば1単位を$1と決めたなら、セッション最初のベットには$10を賭けます。
負けたらベットを1単位増やす
ダランベール法は負けた後にベット額を1単位だけ増やすのがルールです。例えば、$10賭けて負けたら次のラウンドでは$11賭けます。ベットの上昇が緩やかなため、同じネガティブプログレッションのベット戦略であるマーチンゲール法ほど急激に賭け金が増えていくリスクがないのがダランベール法の特徴です。
勝ったらベットを1単位減らす
逆に、ベットが勝利した場合は賭け金を1単位だけ減らします。つまり$10賭けて勝ったら、次のラウンドは$9賭けるというわけです。 大きく勝ち越してしまうといずれ次のベットが$0になってしまうので、そうなった場合はゲームをやめるか再度$10ベットから新たな セッションを始めます。
賭け金が0になった場合
ダランベール法で賭け金が0になった場合には、スタート時の賭け金から再び始めましょう。ただし、この場合には、スタート時の賭け金よりも低い賭け金でプレイするのが望ましいです。
ダランベール法(ピラミッド法)の使い方をルーレットで確認
それでは、説明したダランベール法(ピラミッド法)の賭け方の流れをルーレットを基に確認していきましょう。
- 赤/黒、偶数/奇数など、配当が2倍になるベットを選ぶ。
- テーブルミニマムの5倍~10倍ほどの額のベットを置く。
- 負けたら次のベットを1単位上げる。
- 勝ったら次のベットを1単位下げる。
- 目標額に達するかベットが0になるまで続ける。
ダランベール法(ピラミッド法)をうまく使うポイント
ダランベール法(ピラミッド法)は、ルーレットやバカラといったイーブンマネーベット(勝率約50%で配当が約2倍のベット)が賭けられるカジノゲームで有効に使えるベッティングシステムです。逆に、それ以外のゲーム/ベットには適していません。マーチンゲール法やパーレー法などのようにゴールが明確ではないものの、勝敗数がどちらかに偏らないゲームセッションでは引き分けに終わる代わりにいくらかの収益を上げられる戦術として知られています。
それでは、ダランベール法における重要なポイントを解説していきましょう。
ダランベール法(ピラミッド法)が使えるゲーム
ダランベール法(ピラミッド法)は勝率約50%、配当が約2倍となるイーブンマネーベットに最適なのは先ほどお伝えしたとおりですが、実はカジノゲームではそれほど選択肢が多くありません。
ルーレットのイーブンマネーベット
赤/黒、偶数/奇数、ハイ/ローのアウトサイドベットがこれに該当。単一数字賭けのインサイドベットや、配当3倍のアウトサイドベットには適していません。
バカラのプレイヤーベット
バカラでは、勝率が1/12ほどのタイベットには当然のことながらダランベール法は使えません。5%のコミッションが引かれるバンカーベットにも使えないことはありませんが、最適ではありません。
クラップス
クラップスは日本人にはあまり馴染みのないゲームかも知れませんが、アメリカでは大人気。Pass/Don’t PassとCome/Don’t Comeの各ベットがイーブンマネーです。
なお、ダブルダウンやスプリットでラウンド中に賭け金を増やさなければならない可能性があります。そのためダブルダウンやスプリットを行うタイミングが重要になります。
なのでベット金額が変わる可能性のあるブラックジャックにはダランベール法は向いていません。
ダランベール法(ピラミッド法)のメリット
ダランベール法(ピラミッド法)を利用するメリットをわかりやすくまとめておきます。
シンプルで覚えやすい
ダランベール法はゲームラウンドの勝敗によって賭け金を変更する、とてもシンプルな戦略です。そのため初心者でもすぐに習得することでき、手軽に実践することができます。
五分五分のセッションでも利益が出る
これがおそらく最も大きな利点でしょう。先の例でも示したとおり、ダランベール法では勝敗数が同じであっても利益が出る仕組みになっています。
損失を最小限に抑えることができる
ダランベール法はその仕組み上、負け越した場合でも損失を最小限に抑えることができます。手持ち資金が少ないプレイヤーや資金を失うリスクを抑えたい時に有効な戦略です。
ゲームの結果に柔軟に対応できる
プレイヤー自身が目標とする収益を決め、それに合わせて賭け金を自由に調整することができます。また、マーチンゲール法とは異なり好きなタイミングでいつでもやめられるというメリットもあります。
ダランベール法(ピラミッド法)のデメリット
どんなベット戦略でもそうですが、メリットばかりでもありません。デメリットもよく理解した上で活用してみましょう!
必勝法ではない
いかなるベット戦略にも完璧な必勝法というものはありません。ダランベール法(ピラミッド法)を使ったとしても、もちろん勝てないことはあります。
大きく勝ち越した場合は損
その性質上、負けより勝ちが多いセッションでは同額を賭け続けるフラットベットよりも収益が小さくなってしまいます。また、大きく勝ち越すといずれ次のベットが0になってしまい、その後どうするかはプレイヤー自身が判断しなければなりません。
大きく負け越すと損失が膨らむ
ダランベール法は負けるたびに少しずつ賭け金を増やしていく戦略のため、負けが続くと損失が膨らむので注意が必要です。対策として、ゲームを始める前にあらかじめ損失額の上限を設定しておき、勝てない場合はプレイを中断するようにしましょう。
ダランベール法(ピラミッド法)のデメリットを補う改良法
先ほど見た通り、ダランベール法(ピラミッド法)にはいくつかデメリットがありますが、これらの欠点を補ってくれる「改良法」というものが存在します。
そこで以下では、ダランベール法のデメリットを補う改良法について紹介します。
スタート時の賭け金を10ドルに上げる
例えば、ダランベール法を用いて、賭け金5ドルでゲームを開始した場合、勝利が続くとすぐに賭け金額が最小の1ドルになり、大きく稼げないという欠点があります。
そこで大きく稼げるよう、スタートの時点で10ドルに設定するのがおすすめです。
賭け金が1ドルになったらリセットする
通常のダランベール法だと、賭け金が1ドルになったら、そのまま1ドルを賭け続けますが、これではしっかりと利益を確保することが難しいです。
そこで連勝を狙って、賭け金が1ドルまで下がったら、最初の賭け金額にリセットするのが好ましいです。
ダランベール法(ピラミッド法)のシミュレーション
次に、ダランベール法(ピラミッド法)を使って勝つことができるのかどうか、シミュレーションを行って確かめてみましょう。
以下の表は、1単位あたりのベット額を10ドルで、資金が20ドルとした場合に、5回のゲームをプレイした結果です。
ゲーム数 | ベット額 | 勝敗 | 収支 | 残金 |
1ゲーム目 | 10ドル | 勝ち | 10 | 30ドル |
2ゲーム目 | 9ドル | 負け | -9 | 21ドル |
3ゲーム目 | 10ドル | 勝ち | 10 | 31ドル |
4ゲーム目 | 9ドル | 負け | -9 | 22ドル |
5ゲーム目 | 10ドル | 勝ち | 10 | 32ドル |
上記の結果からわかるように、同額をずっと賭け続けていたら当然収支は±0になっていたわけですから、勝った回数と負けた回数が同じでも利益を得られる、というのがダランベール法の強みだということになります。
しかし、ダランベール法を使って勝つことは可能ですが、長期的に利益を上げることは難しいといえます。
というのも、勝率が50%である限り、総ベット額が増えるにつれて、総利益が減少する傾向があるためです。
またダランベール法は、ベット額が増えるにつれて損失リスクが高まるため、十分に注意しなければいけません。特に勝率が低いゲームでは、このシステムを使うことで損失を大きくしてしまうこともあるため、慎重に使うようにしましょう!
応用編:逆ダランベール法
逆ダランベール法は勝つたびに賭け金を1単位だけ上げ、負けたら減らすベット戦略。ポジティブプログレッションに分類されます。文字通りダランベール法を逆にした賭け方で、コントラ・ダランベール法と呼ばれることも。 ダランベール法同様、配当が2倍となるイーブンマネーベットで使うことができます。
それでは、逆ダランベール法でも簡単なシミュレーションをしてみましょう。
以下の表は、1単位あたりのベット額を5ドルで、資金が20ドルとした場合に、4回のゲームをプレイした結果です。
ゲーム数 | ベット額 | 勝敗 | 収支 | 残金 |
1ゲーム目 | 5ドル | 勝ち | 5 | 25ドル |
2ゲーム目 | 6ドル | 負け | -6 | 19ドル |
3ゲーム目 | 7ドル | 勝ち | 7 | 26ドル |
4ゲーム目 | 6ドル | 負け | -6 | 20ドル |
2勝2敗にも関わらず、収支はプラスマイナスゼロとなりました。逆ダランベール法の特徴をまとめておきます。
- 逆ダランベール法は損失を抑えつつ、しっかり利益を狙っていくベット戦略。
- ダランベール法が損失を抑えることに長けているのに対して、逆ダランベール法は大きく勝ち越した場合にフラットベットよりも大きな収益を上げることが可能。
- デメリットは、勝敗数が同じ場合は損失を出してしまうという点。
逆ダランベール法も必勝法ではないので、勝てないことはあります。それを踏まえた上で、両方試して自分に合うものを見つけてみては
ダランベール法(ピラミッド法)まとめ
以上、カジノゲームで使われているダランベール法(ピラミッド法)について見てきました。
勝利時にも負け時にも賭け金が変動し、リスクを最小限に抑えることが可能ですが、デメリットももちろんあるので、賢明な判断が必要となります。
また、カジノ側によっては、カジノ攻略法自体使うことが禁止されている場合もあります。なので、ダランベール法を実際に使う際には、カジノのルールを確認するのもお忘れなく!