日本では、公営ギャンブルやパチンコといった法律によって許可されている賭博以外は全て違法となっています。
しかし、世界中のさまざまな国でカジノやオンラインギャンブルといった賭博は合法化されており、利用者が生活に影響を及ぼさないように、および悪質な賭博業者を排除するためにしっかりとしたルールや規制が設けられています。
賭博やギャンブルが合法とされている主な国は以下の通りです。
- オーストラリア、ニュージーランド
- カナダ
- フランス
- ドイツ
- イタリア
- メキシコ
- 南アフリカ
- スペイン
- イギリス
- アメリカ
ギャンブルが合法化されている国
ここでは、ギャンブルや賭博が合法となっている国がどのような規制やルールを設けているのか、また、実際に行えるギャンブルの種類などを解説していきます。
1. イギリス

イギリスでは長い間、貴族や大衆娯楽の一部としてギャンブルや賭博は親しまれてきました。インターネットが発展してからは、オンラインギャンブルも合法化されたため、イギリスでは数多くの賭博を楽しむことができるようになりました。
英国ギャンブル委員会 (通称UKGC) は、イギリス国内にある全てのギャンブル関連のサービスを行う事業者に対して、厳格な規制や基準を設けており、利用者が公平なゲームを行えるように監視する役割を担っています。委員会の設置や規制により、合法に賭博業を運営している会社や組織は正当性を証明することができるようになり、闇カジノや悪質な業者を排除することに成功しています。
イギリスでは人々の文化と賭け事が深く結び付いており、イギリス国内のさまざまな都市や街で賭場を見ることができます。カジノやオンラインギャンブル以外にも、スポーツから「次の首相は誰になるのか?」といった予想までも賭けの対象となるため、賭け事のないイギリスを想像するのは難しいと言えるでしょう。そのため、イギリス各地にあるギャンブル事業者は年間何百万ポンドもの利益を得ています。
イギリスで行えるギャンブルは、オンラインカジノゲームからダーツ、サッカー、eスポーツまで多岐にわたります。特にサッカーはイングランド・プレミアリーグのトップチームを中心に、多くの方が熱狂している賭け事と言えます。イギリス人に特に人気のサッカーチームは、マンチェスター・ユナイテッドFCやアーセナルFC、チェルシーFC、リバプールFCが挙げられ、毎週末試合が開催されています。また、競馬もイギリス人に人気のギャンブルの一つです。「チェルトナム・フェスティバル」や「ロイヤルアスコット」、「ブードルズ・メイフェスティバル」はイギリス国内で格の高いレースとして知られています。
ギャンブルの市場が確立されているため、サービスを提供している事業者や会社のほとんどがイギリス国内に拠点を置いています。代表的なものに「ウィリアムヒル」などが挙げられ、ほぼ1世紀にわたってイギリス人にサービスを提供してきました。イギリス人のギャンブルに対する愛情が、カジノサイトやブックメーカーの絶大な人気を後押ししています。
その他の有名なオンラインギャンブルサイトやブックメーカーには「Bet365 (ベット365)」、「Ladbrokes (ラッドブロークス)」、「Unibet (ユニベット)」、「888カジノ」、「Betfair (ベットフェア)」などがあります。また、イギリス国内の賭場やカジノ施設、ブックメーカーの数は8,300ヶ所を記録しています。
2. アメリカ

アメリカはオンラインギャンブルの総収入額が112億ドル (約1兆4,000億円) と世界で2番目に多い規模の大きさを誇っています。ここまで大きな市場規模となっている理由については、ギャンブラー人口の多さが挙げられ、世界中で活躍しているオンラインギャンブラーのおよそ10人に7人はアメリカに住んでいると言われています。また、近年ではフロリダ州やミシシッピ州、メリーランド州など数十の州がランドベースカジノとオンラインカジノの両方を合法化にするため、手続きを進めており、今後さらに市場が大きくなっていくことが期待できます。
アメリカでは、オンラインギャンブルの事業者に対して規制をかけているものの、市民や居住者に対しては特に規制をかけていないため、海外のサイトを通じて自由にオンラインギャンブルをプレイすることができるようになっています。ちなみに、アメリカでのカジノ産業 (ランドベースとオンラインカジノを含む) の合計収入額は350億ドル (約4兆6,000億円) を超えています。
アメリカのギャンブル法は連邦法で定められている一方で、州法や地方政府によっても管理されています。実際に、アメリカでオンラインギャンブルが合法となっている州のほとんどは州議会議員によって法案が提出され、可決されたものとなっています。オンラインギャンブルを合法とした目的のほとんどは、州財政を潤すためと言われています。
一方、連邦法や州法が直接適用されない自治区であるアメリカ先住民居留地では1988年に制定されたインディアン賭博規制法によって、その地域内のギャンブルの運営・管理は先住民国家に任されています。仮にアメリカで賭博が違法となった場合でも、連邦政府機関や政府の政策の影響が及ばない先住民国家では賭け事が行えることになるかもしれません。
ネバダ州にあるラスベガスがランドベース (カジノリゾートなどのカジノ施設) のカジノ界をリードしているのに対し、ニュージャージー州はアメリカのインターネット・オンラインギャンブル界をリードしている州と言えます。また、ニュージャージー州は、アトランティックシティのカジノ施設と連携して、「Borgataオンラインカジノ」や「BetMGM」、「ウィリアムヒル」といった有名なオンラインカジノサイトを提供し、オンラインカジノブームの火付け役となった州でもあります。
アメリカの全50州の中でカジノ施設が設置されている州は以下の10州となります。
- ネバダ州
- ニュージャージー州
- インディアナ州
- イリノイ州
- ペンシルベニア州
- コロラド州
- デラウェア州
- ミシガン州
- ニューハンプシャー州
- ニューメキシコ州
また、最も人気のある賭け事は、アメリカンフットボール、バスケットボール、野球、カレッジフットボールなどのスポーツベッティングとなっています。アメリカでは18歳未満の方が賭け事を行うことは法律で禁じられています。
3. 日本

日本は公営ギャンブルとパチンコを除き、全ての賭け事が禁止されているという先進国の中でもギャンブルに対する規制が厳しい国の一つです。今後、カジノ施設やIR (統合型のリゾート) の開発が行われる計画はあり、法律が改正される可能性はあるものの、2023年時点では国が認めているもの以外のギャンブルの提供・利用はできない状態となっています。
しかし、実は日本人は毎年200億ドル (約2.7兆円)を超える金額をギャンブル (公営ギャンブルやパチンコ、海外のカジノサイトなど) へ費やしており、厳しい規制を設けている国の中では最大級の市場規模を記録しています。
4. スペイン

スペイン人は、貯金を簡単に賭け事に注ぎ込むほど熱狂的なギャンブラーが多い国としても知られています。スペインでは、賭博行為が合法化されているため、数多くのカジノゲームや賭け事を行うことができます。また、政府は全ての賭け事に対して、20%の税率を定めているため、膨大な額の税収を得ることに成功しています。
スペイン人やスペインに住んでいる居住者はランドベースのカジノ施設で自己責任の範囲内であれば、自由にカジノゲームを楽しめるようになっています。そのような背景からスペインでもオンラインカジノが人気な賭け事の一つとなっているのも、頷けるものと言えるでしょう。スペイン国内では、スペイン賭博規制総局 (通称DGOJ) がギャンブルに関する厳格な基準を制定し、維持する役割を担っています。
スペインには全部で20ヶ所以上のカジノが設置されており、特に人気なカジノとして、「カジノ・マルベーリャ」、「グラン・カジノ・コスタ・ブラバ」、「カジノ・バルセロナ」、「カジノ・シルサ・バレンシア」が挙げられます。また、スポーツベッティングやクリスマスの期間に行われる宝くじ (El Gordo de Navidad)、ブラックジャック、ダイスなどはスペイン人に人気のギャンブルとなっています。
5. イタリア
イタリアのギャンブルの歴史はローマ時代にまでさかのぼります。その後、合法化や禁止、非犯罪化などを経て、現在多くのギャンブルが合法となりました。イタリア人に人気のギャンブルとして、スロットやルーレットなどのカジノゲーム、スポーツベッティング、宝くじが挙げられます。宝くじは、都市や地方自治体が販売する宝くじから国が運営する宝くじまで多くの種類のくじを楽しむことができます。イタリア国内ではイタリアギャンブル委員会 (通称AAMS) が、ギャンブルに関する厳格な基準を制定し、維持する役割を担っています。
イタリアにも世界を代表するカジノ施設が多数存在しており、ミラノやサンレモ、ベニスなどの観光地に点在しています。「カジノ・ディ・ヴェネツィア(世界最古のカジノ)」や「カジノ・デ・ラ・ヴァレ」、「カジノ・ディ・サンレモ」、「カジノ・ディ・カンピョーネ」はイタリアの代表的なカジノとして有名です。
しかし、他のヨーロッパ諸国と比べるとイタリアではカジノゲームよりもスポーツベッティングが好まれる傾向があり、特にサッカー賭博は多くのイタリア人から好まれているギャンブルです。イタリアで人気の高いブックメーカーに「サイザルマッチポイント (Sisal Matchpoint)」や「ビーウィン (BWIN)」、「SNAI」、「ベットフレッド (Betfred)」があります。
6. オーストラリアとニュージーランド
オーストラリアは隣国であるニュージーランドよりもはるかに大きなオンラインギャンブル市場を持っています。オーストラリアで提供されているギャンブルサイトは全てオーストラリアの中央政府と準州により厳しい監視・管理下に置かれているため、安全に賭け事を楽しむことができると言えます。オーストラリア代表的なカジノサイトとして「クラウンカジノ (CrownCasino)」が挙げられます。
ニュージーランドのギャンブル市場は、オーストラリアと比べると規模が少し小さいものとなっています。ニュージーランドでは、内務省がギャンブル関連におけるサービスに対して厳格な基準を設けており、管理する役割を担っています。サービスの事業者は、国から発行されるライセンスを取得する必要があるため、オーストラリア同様、安全に賭け事を楽しむことができるでしょう。オンラインカジノはニュージーランド人にとっても長い間、人気で身近にある娯楽となっています。また、イギリスと同じようにギャンブルで得た賞金に税金はかからないものとなっています。
ギャンブルが違法とされる国
世界の歴史を見てみますと、ギャンブルの歴史はかなり古く、世界中の多くの地域で行われていたと考えられています。ギャンブルや賭け事は国がうまく管理し、適切な規制を設ければ、儲かる産業のひとつであり、結果的に多くの恩恵を受けることができます。とはいえ、ギャンブルにはメリットばかりではなく、さまざまなデメリットも持ち合わせています。
ギャンブルの主なデメリットとしてよく挙げられるのは、やはりギャンブル依存症でしょう。貯金や生活費を使うだけにとどまらず、借金をしてまでギャンブルにのめり込んでしまい、結果仕事や生活に支障を及ぼしてしまうリスクがあります。そのため、ギャンブルは未だ世界中全ての国で合法となっていません。
しかし、ギャンブルや賭け事を全て禁止にしてしまうと、裏カジノや闇カジノといった違法に営業を行う悪質な業者の増加を招きます。それらのカジノの収益は暴力団や犯罪組織の資金源となることから、近年多くの国の政府がギャンブルを合法化し、適切な規制を設けるにはどうすればよいのかといったことを模索しています。
ギャンブルや賭け事が違法とされている主な国は以下の通りです。
- ブルネイ
- カンボジア
- イラン
- カタール
- クウェート
- ラオス
- 北朝鮮
- サウジアラビア
- アラブ首長国連邦
ギャンブルはほとんどの国で合法化されている?
過去数十年の間で多くの国がギャンブルの解禁にふみきっており、現在、世界201カ国・地域のうち、127カ国・地域で合法化されていると言われています。ギャンブルが合法な国としてカナダやアメリカ、イギリス、オーストラリア、スウェーデンなどが挙げられます。
ギャンブルや賭け事が楽しめる代表的な国はどこ?
ここでは、ギャンブルや賭け事が楽しめる国をいくつかご紹介いたします。
マカオ
マカオは「東洋のモンテカルロ」や「世界のギャンブルの中心地」と呼ばれており、世界中から多くのセレブや観光客が来る地としても有名です。マカオにはラスベガスよりもはるかに大きな面積の豪華な作りをしたカジノが多く存在します。
合計40ヶ所のカジノ施設があり、毎年30億ドル (約4,000億円) 以上の収益を上げています。これはマカオのGDPの50%弱を占めており、最も大きい収入源の一つとなっています。また、マカオのカジノ収益のおよそ66%は中国本土や香港から来るハイローラー (カジノで大金を賭ける顧客のこと) によるものと言われています。
アメリカ
ご存知の方も多いと思いますが、アメリカには世界でも最大級のカジノ都市であるラスベガスとアトランティックシティがあります。
モンテカルロ
フランスのリビエラ自治州には、ヨーロッパで最も有名なカジノの一つである「カジノ・ド・モンテカルロ」があります。
オーストラリア
オーストラリアのシドニーは、以前、次のラスベガスと呼ばれていたほど世界でも存在感を発揮しているカジノ都市です。シドニーには「クラウン 」と「ザ・スター」の2つの有名なカジノが存在します。
シンガポール
シンガーポールにはマリーナ・ベイ・サンズやリゾート・ワールド・セントーサといった3つのカジノが存在し、日々多くの観光客を迎え入れています。
オンラインギャンブルが合法化されている国はどこ?
基本的にギャンブルや賭け事が許可されている国では、オンラインギャンブルも合法となっています。オンラインギャンブルが楽しめる国・地域は以下の通りです。
オーストラリアとニュージーランド
オンラインカジノはオーストラリア人やニュージーランド人にとって長い間愛され続けている娯楽に一つです。ニュージーランドでは、内務省がオンラインを含む全てのギャンブルに対して厳格な基準を設けており、管理する役割を担っています。また、オーストラリアで提供されているギャンブルサイトは全てオーストラリアの中央政府と準州により厳しい監視・管理下に置かれているため、安全に賭け事を楽しむことができると言えます。
北アメリカ
アメリカは世界のギャンブラー人口の70%を占めるほどのギャンブル大国としても有名で、オンラインギャンブルは主に北米地域の方々の間で人気を博しています。隣国であるカナダでも、一部の州でオンラインギャンブルは認められています。また、オンラインカジノをプレイしたことがある方の中には「カナワケライセンス」という名前をご存知の方も多いのではないでしょうか?カナワケライセンスの発行・管理を行なっているカナワケ・ゲーミング・コミッションもカナダを拠点としている機関です。カナダの2021年のオンラインギャンブル総収入額は26億ドル (約3,400億円) を記録しています。
ヨーロッパ
オンラインギャンブルはドイツやイタリア、ハンガリー、スイス、フランス、スペイン、イギリス、ベルギーなどヨーロッパのほとんどの国で合法となっています。オンラインギャンブルに関するルールや規制は各国の政府によって管理されています。
アフリカ
アフリカのほとんどの国ではギャンブルや賭け事は禁止となっているため、オンラインギャンブルも同じように禁止されています。しかし、 モーリシャスやケニア、南アフリカといった一部のアフリカ諸国では、オンラインギャンブルは合法となっており、そのような国では問題なくオンラインカジノを楽しむことができます。
また、コートジボワールやカーボベルデ、モロッコ、アルジェリアなどの国では、制限はあるものの一部のカジノゲームやスポーツベッティングといったオンラインギャンブルを行うことは許可されています。
ラテンアメリカ・カリブ諸国
トリニダード・トバゴやコスタリカ、エルサルバドル、ホンジュラスなど、中米・カリブ諸国の一部の国でオンラインギャンブルは認められていませんので注意しましょう。メキシコはやや複雑で、オンラインギャンブルに関してはグレーゾーンとなっています。また、キューバも全面的にギャンブルや賭け事を禁止としているので、こちらも併せて注意が必要です。
アジア諸国および中近東
アジア諸国と中近東地域は国によって規制が全く違っており、ギャンブルを認める国と違法とする国が混在しています。フィリピンやカザフスタン、カンボジアなどの一部のアジア諸国では、オンラインギャンブルは合法であり、政府によって規制が設けられています。また、オンラインカジノを運営するためには政府が発行したライセンスを取得する必要があるため、安全にオンラインカジノを利用することができるように整えられています。
マカオやシンガポール、タイ、中国は、オンラインギャンブルを部分的に合法としています。インドでは、オンラインギャンブルはゴア州とシッキム州でのみ合法となっています。一方で、インドネシアやアラブ首長国連邦、バングラデシュ、カタール、クウェート、レバノン、その他の中東諸国では、オンラインギャンブルは違法と定められています。